「伝えよう」という気持ちを忘れていませんか?

 

話し方教室に来られる多くの方は、「人にあがっていることを悟られたくない」とおっしゃいます。

「うまく話させないとなめられるのではないか?」

「あがっていると分かると示しがつかないのではないか?」

など。

 

お気持ちはとても分かります。

誰しも、「あがっていることを知られたくない」のは当然の気持ちだと思います。

 

しかし、一方で「話がうまくできること」、「あがらずに話せる」よりも前に、もっと大切な事あるのではと感じることも多いです。

 

それは、「あがりながらでも素晴らしいお話をされる様子」をたくさん見ているからです。

それらの方は、例外なく「伝えようという気持ち」が強く伝わってきます。

 

人は、話しの「上手い下手」を見ているのでしょうか?

それとも、「あがっているか」とか、「堂々としているか」という様子を見ているのでしょうか?

 

 

 

それ以上に、その人の「伝えようという姿勢」を見ているのではないでしょうか。

 

たとえあがっていても、「必死に伝えようとしている人」を軽く捉えることはできないでしょう。

しっかり聞こうとするはずです。

 

「話をしっかりと伝える事」が目的なら、話のうまさよりも、まず「しっかり伝えようという気持ち」の方がより大切です。

 

そして、細かい方法論ではなく、この強い気持ちが「あがり」を改善させることがあります。

それは、「あがり症」そのものに変化を与えるわけではありません。

 

まず、強い気持ちにより、「伝えることに」意識が集中される事で、あがりへの意識が減ることがあります。

 

また、聞いている人の反応も違ってくるでしょう。

自分が伝えていることを認められると、喜びが湧いたり、自信になったりします。

 

「あがり」を超えたところで、自分にとっての「やりがい」が生まれることもあるでしょう。

その「やりがい」の方が大切になって、「あがり」が自分にとってそれほど問題にならなくなるかもしれません。

 

「あがり」を改善させる大きな要素の1つは、「自信が持てること」です。

そして、その「自信」はどんなやり方で身に付けてもよいのです。

「あがらなかった」という自信ではなく、「分かってくれた」とか、「認められた」という自信でも良いのです。

 

話し方教室に行かなくても、人前で話せるようになったという人は、たくさんいます。しかし、みんな初めからうまく話せたわけではありません。

「あがりを防ぐ方法やコツ」を知らなくても、強い気持ちで臨み、結果的に人前で話す自信を手に入れていたという方も多いのではないでしょうか。

 

人前で話すための「方法」や「練習」はとても大切です。そして、同じように「伝えたいという強い気持ち」もとても大切です。強い気持ちは、必ずあがり改善のプラスになります。

 

忘れてしまいがちな「伝える気持ち」を大切にしましょう。

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