コミュニケーションを正しく理解すること
人と話をすることに苦手意識を持っている方はたくさんいます。
特に、人前であがってしまう方は、人前で話す機会が少ないことがほとんどです。
ところが、コミュニケーションを正しく理解し、あがり症の問題を改善することでコミュニケーションが取れるようになります。
そして、コミュニケーションはスポーツや勉強と同じように実践練習を積めば 各段に進歩していきます。
ここでは、コミュニケーション能力を向上させる三つの柱について紹介します。
一つ目の柱はコミュニケーションを正しく理解することです。
そのポイントは、まず聞き上手になることです。
コミュニケーション能力の低い人は相手の話を聞くことが下手な人が多く、話を理解することができません。
そのため、自分が一方的に話してしまい、コミュニケーションを上手に取れなくなります。聞き上手になるためには、実際の対話の中で話が深まっていくような質問を工夫することです。質問する力がつけば会話の質が高まっていきます。
逆に、自分から全く話をしないケースもあります。コミュニケーションは会話のキャッチボールなので、どちらか一方が頑張っても上手くいきません。自分から話をしない人は、自分の発言に対しての反応が気になり過ぎて会話から遠ざかる傾向にあります。
よほど失礼なことを言わない限り、相手は過剰な反応をすることはありません。失敗を恐れず会話を続けていく意識を持つことで、コミュニケーション能力の向上につながっていきます。
二つ目のポイントは、第一印象を良くしてコミュニケーションを円滑にさせていくことです。第一印象の9割が視覚情報と聴覚情報という法則があります。
これは、アメリカの心理学者が提唱したもので「メラビアンの法則」と言います。
この法則は、人への第一印象は初めて会った時の3~5秒で決まり、その情報のほとんどは視覚情報と聴覚情報から得ているというものです。
このことは、会話として発信する内容より、視覚や聴覚情報の方がコミュニケーションには大切な要素であり、特に視覚情報はパッと見てその人の印象が決まってしまうので重要になります。
このように、仕事や人間関係でコミュニケーションを上手にとるためには、第一印象に気を配り相手に対して聞き上手になることです。
あがり症の問題を改善すること
コミュニケーション能力を向上させる二つ目の柱は、あがりの心理を理解することです。
あがりで困っている方は自分だけが人前であがると思っているようです。
しかし、人前で話すことに苦手意識を持っている方の8割以上の方はあがっているのです。
そして、あがりの大きな特徴は外からは見えにくい、ということです。あがりや緊張というのは、体の強張りであったり、心臓のドキドキする音、手足の震え、のどの渇き、汗をかくなどの症状が出ます。
ところが、周りの多くの人たちは、そのような症状をほとんど感じていないのが実情です。
まして、広い会場で話をしているときなどは、あがりの症状はまったく見えなくなります。
このように、あがりの症状は聴き手からほとんど見えないということが、あがり対策の出発点になります。
そこの部分を意識しなくて良くなる分、他の部分に意識を向けることができます。
あがりの心理を理解しておかないと、コミュニケーション能力の向上もなかなか上手くいかないことになります。
また、あがりを引き起こす原因は人それぞれですが、落ち着いて取り組んでいくことで克服することは可能です。
過去の失敗体験や準備不足、よく見られたいという心理などが原因となって、漠然とした不安感につながっていきます。
その克服の一つとして、堂々と振る舞うという方法があります。さきほど触れたメラビアンの法則にあるように、聴き手には視覚情報が強い印象を与えます。
堂々と振る舞うことで、話すのが上手く見えたり、自分自身が落ち着けたりする効果があります。
また、話の内容をシンプルにすることもあがりを克服する方法になります。
特に、苦手意識を感じているうちはシンプルな内容を心がけることです。
シンプルな内容であれば、覚えやすいですし、聴き手の受ける印象も良くなります。話はシンプルでも気持ちを込めて話す方がずっと伝わりやすくなります。
このように、あがりの心の問題を改善するとコミュニケーション能力の向上につながっていきます。
実践的にトレーニングを積むこと
最後に、コミュニケーション能力を向上させる三つ目の柱は、実践的に会話のトレーニングを積むことです。
そのためには、専門の講師がいる話し方教室に行くことが最も効果があります。
人前で話す経験が少ない人ほど実践経験は役に立つトレーニングです。人前で話す苦痛を克服したい、劣等感を克服し自信をつけたいという方には、適切な練習によって成功体験を積むことのできる話し方教室をおすすめします。
人前で話す時のあがりや緊張を改善したいという方には、あがり克服法に特化した教室を開設している話し方教室もあります。
知識を持っていても実際に使えるのはごくわずかです。専門の講師のもと繰り返しトレーニングをすることが大切なポイントです。
そのような話し方教室は大勢の方が受講しています。同じ悩みを持っている多くの皆さんと一緒に、楽しくトレーニングしていくこともモチベーションの維持につながっていきます。
そのような教室に通うと、話し方のコツや考え方を分かりやすく教えてくれます。考え方や感覚が分かるだけで苦手意識がなくなり、楽に話ができるようになります。
逆に、コツが分からないと長期にわたって練習しても効果が上がりません。専門の話し方教室に通い、あがりとの付き合い方が上手になるにつれ、コミュニケーション能力の向上を実感することができるようになります。
ぜひ、実践的なトレーニングを十分に積んで、会話のキャッチボールが上手にできる人を目指しましょう。